物置きに住むということ・2nd season

チラシ裏を、ふたたび。

腕時計、クォーツ?機械式?

俺たちが子供だった頃は、高度成長期。(何歳だよw

仕事で忙しく動き回るビジネスマンの腕に、クォーツの腕時計は
ほとんど見受けられず、
皆機械式の「自動巻き」を使っていた。
その頃はまだ、クォーツの時計は値段がバカ高だった。
セイコーさんががんばって、クォーツが安く、普通の人が買えるようになったのは、
70年代も後半になってからではなかったかと思う。

前にこのブログでも書いたけど、時計大好きな自分が、
一番初めに手にした時計も機械式だった。
ただし自動巻きでなくて、「手巻き」。一日一回ねじを手で巻く。
今でこそクォーツは、「スタンダードな時計でござい」なんて顔をしてるけど、
実はついこの間まで、機械式時計のほうが庶民の味方だったと言える。


さて。
自分なりに、クォーツと機械式の違いの概要、
いいところと(´・ω・`)ショボーンなところを、かんたんに書いてみよう。
最近は機械式も復権していて、時計をはじめて買おうかなーという方に、
参考にしていただければ幸い。
ただし自分は素人なので、鵜呑みは厳禁(笑)。しょせんチラシ裏ブログ。
「意見には個人差があります」で。


1.クォーツ時計
・基本的に「電源」が必要。
クォーツ(水晶)に電圧をかけると、正確な振動がどうたらこうたら(笑)。
秒針のあるものは、大抵のものが一秒ずつ、ちっ、ちっ、と動く。

・機能的にいいところ・・・正確に時を刻む。
わりと安価なものでも、時間のずれがひと月に15秒くらい。
いいものでは年に5秒、なんていうのもある。
あと機械式よりは「比較的」衝撃に強い。

・うーん(´・ω・`)、なところ
電源が尽きると、急に止まってしまってあせるw
ただし、「電源がピンチになるとお知らせする機能」がついているものが
たくさんあって、とても便利。

・電源ついては「電池」「ソーラーで電気を溜めて」「ゼンマイで溜めた動力で電気を起こす」
などがある。

2.機械式時計
・巻かれたゼンマイの力で、動力系を動かす。電気は使用しない。
秒針のあるものは、細かく「チチチチ」と動く。1秒間に5~10刻み(振動)。
一般的に振動数の多いものは価格が高額。
クォーツに比べて滑らかに動いているように見える。
(これが機械式マニアにはたまらんのです)

ゼンマイを巻く方法としては、「手巻き」「自動巻き(オートマチック)」に分かれ、
自動巻きは自然な手の動きでゼンマイが巻かれるようになっている。

・機能的にいいところ・・・。

・・・あれ?何だろう。クォーツに比べて機能的にいいところ、何かあるかな。
電気使わないから止まらない?
いや、機械である以上は故障はどんなものでもあり得る。これはクォーツと同じ。
機能的ないいところ、ない?w

・(´・ω・`)ショボーンなところ
時間のずれ。安価なものだと一日に30秒とかずれる。
一般的に使える、と思う3万円くらいのものでも一日に15秒とか。
高級なもので一日に10秒以内、5秒以内。でもクォーツの安いのにも負ける・・・。

比較的衝撃に弱い。
時計をした側の手でハンマーで何かを叩くとか、キャッチボールとかもってのほか。
それでも最近のものは強くなった。

時計の中身がぜーんぶ機械なので、5年程度(年数は諸説あり)に一度、
中を開けて機械を分解洗浄、油をさしなおして消耗部品は交換、
(オーバーホールという。プロにお願いする)
これを行う必要があり、この作業料金がけっこう高額である。

またゼンマイは大抵のものでは、2日くらいで緩みきって時計が止まる。
止まったらまたねじを巻いて、時計を合わせなければなのだ。

・・・・・。
・・・なんだよ。
整理して書いてみたら、クォーツのほうがイイやんかと。
機械式あかんやん、となる。
たぶん通勤で時計してる人10人つかまえて、時計見せてもらったら、
8~9人までクオーツじゃないかと。


ただし、「機能的」な話では、だ。(`・ω・´)シャキーン


たとえば、思い出のオルゴール。
電池で、音源もデジタルで鳴るものはスイッチを「オン」すると、電池が切れるまでずーっと鳴ってる。
片や、自分でねじを巻くゼンマイのオルゴールは、
きれいに鳴っていてもゼンマイがすぐ緩んできて、だんだんゆっくりになって、
やがて止まってしまう。
まだ聴きたかったら、もう一回自分の手でねじを巻く。
音もなんか調子が少しはずれたりしてるけど、
それさえも、子どものころから聞きなれた音でなつかしい。

自分の手で巻いて、思い出を奏でて、すぐにゆっくりになって止まる。
その一連の動作が、セットになって、人間の一生をほうふつとさせる。
「人間のこころ」にはたらきかけている。
そう、電気を使わないものは、「生きもの」のにおいがするのだ。

また、
電池式のオルゴールは、鳴らなくなってしまったら「電子回路」がこわれているから、
基本的に使い捨てになることが避けられない。
対してゼンマイ式は、「機械=部品のあつまり」のどこかがこわれているだけなので、
どうにかして、例えば部品を作ってでも直そうとすれば直るかんじ。

「どっちがいいものですか?」っていう質問には意味がない。
「どっちがお好きですか?」が正しい質問。
「機能的」と「生きもの」。これが、クォーツと機械式時計の違い、だと思っている。
お読みいただいているあなたは、どっち派ですかね?

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念のため、上には書きませんでしたが、クォーツ時計でも、
電池式、ソーラー式、ゼンマイでモーター(スプリングドライブと云う)、あ、キネティック忘れてたw
いずれのものも使い捨てにするのでなければ、

5年に一回は分解掃除、防水パッキン交換は必要で、
高額なものはやはりこれにお金がけっこうかかります。(やると20年は使えます)
電池交換だけ、は安上がりな気がしますが、それだけですと、
パッキンの劣化、内部のゴミや動作部分の油切れなどで早々と使えなくなります。
さらに20年ぐらいたつと、メーカーに電子回路などがなくなって、寿命となります。

機械式のオーバーホールでも国産で3万円くらいで買える製品は、
5年に一度のオーバーホールが1.5万円くらい。
そう考えると維持費ってあんまり変わらない。
あと機械式もメーカーに「部品」がなくなるとメーカーでは修理が不可となりますが、
世の中にはこの部品を探してくれたり、作ってくれたりするひとやお店があって、
ヘタしたら親子孫まで3世代使えたりとかする。

こういう、「直す苦労」が楽しいと感じ始めたら、もうそれは趣味の領域です(笑)。


自分は思うのですが、腕時計ってまずは「道具」ですよね。
「道具」って「切れ味」です。なまくらでは意味がない。
時計で言えば、いかに正確で、こわれず、いきなり止まったりしない。
そういう意味では明らかに、クォーツさんの勝ち、です。


でもね、(←しつこい性格w


腕時計が「道具」でなくって、
生きもの、「ペット」、もとい「家族」であってもいいじゃないか。
「思い出のオルゴール」であってもいいじゃないか。

たとえば、今は亡きおじいちゃんが大切に使っていた機械式時計が出てきて、
受け継いだ。でも動かない。
メーカーがもう修理を受けてくれず、必死で探してやっと修理を受けてくれた店。
なかなか部品が見つからず、ついには「部品作ります」になって、
1年半預けて、やっとかえってきて。
時間の誤差は少し大きめ。ゼンマイも1日ちょっとしかもたない。でも、
おじいちゃんが生きていた時間を刻んでいた時計が、今自分の左手首で、
また時を刻む。
こんなロマンチックなぜいたく、クオーツではちょっとありえない。


クォーツと機械式時計は、似たような格好をしていますし、
時を刻む、という仕事は同じなのですが、

道具としての無機的な面を重視するか、あるいは生き物を飼う的な、
有機的なそれを重視するかで、全く違うものなのではないかと思います。
だから、どっちが優れているとか、比べるという行為自体がムダ。
自分の大好きな言葉、「みんな違って、みんないい。」これが結論です。


********


しかし、それでは困る、という方。
はじめて時計を買うんだけど、何がいいの?という方。
自分なりのおすすめ時計を紹介します。

こんなん出ましたけど♪
シチズン プロマスター
ソーラー GLOBAL MARINEシリーズ BN0156-05E

イメージ 1

ダイバーズウォッチです。
実売3万円をちょっと切るくらい。
ソーラータイプのクォーツ時計です。かっこいいでしょ?

どうだっ☆シチズンも持ってるんだい(・∀・)/
セイコーばんざいブログじゃないんだよここはwww
セイコーさんはこの価格帯でクォーツダイバーのデザイン、
もうちょっとがんばってください(すいませんw


文字盤に200mと記載がありますが、JIS規格というのがありまして、
国内で何mと表示できるのは、JIS規格をクリアしてるものだけのようです。
水圧はもとより、温度変化、衝撃など様々な条件をクリアしているので、
タフな使い方に耐えることができるので、初心者にもおすすめ。
お仕事でも、堅いお仕事でなければわりと大丈夫なのでは?(だめ?w

(あ、G-shockのほうが丈夫か・・・あれはもう、ね。別格。)

自分はこれを主に、「お風呂用時計」にしています。
もちろん外出時も、正確なので重宝していますよ。特に水回りで大活躍。
お湯につけるといくらダイバーでもよくないらしいので、
湯船のエッジにちょこんと鎮座されています。

これ使ってあ、クォーツでいいやと思ったらもう少しビジネスライクなクォーツを
買い足せば、
オンオフどちらも対応できますし、
機械式に興味があればそっちに行ってもいいと思います。

はい?はじめての機械式、おすすめですか?
うーん。セイコー SARB033あたりでどうでしょうか。

イメージ 2

白(クリーム色)の文字盤が良ければ、SARB035、これは所有してます(#^^#)
けっこう質感があっていいですよ。これらはビジネスでも大丈夫でしょう。
いずれも3万円ちょっとです。
防水も10気圧ですし、ねじ込みりゅうずではなく手巻き付きなので、
使わない時は毎日手で巻くと止まらずにすみますよ。
ガラスもサファイアガラス、ブレスもステンレス無垢なので、
つけてる感じもしっくり、高級感出てます。


「道具」としての時計を語れば、クォーツに勝るものはないかもしれませんが、
「豊かさ」といいますか、有機的なあたたかさ、豊かさを左手首に(右でもいいですがw)
感じたいのであれば、機械式もいいものです。


クォーツ、機械式、両方所有しましょうという、くどくど書いたわりには
なんでもない平凡な言葉を残しつつ、
本日も最後までごらんいただき、ありがとうございました。

あー疲れた(-_-;)

追記:
「ケータイやスマホで時間みればいいやん」という意見があります。
その通りだと思います。
ケータイはクォーツの仲間だと思います(笑)
クォーツの懐中時計、といったところでしょうか。

そして、たとえばビジネスの方は、
会議中に、商談中にケータイ・スマホ見て許される職場かどうか。
「時間の確認です」と言えば通るか。
取引先相手の印象はどうか。
大丈夫なら、ケータイ・スマホでいいと思います。

あと、親しくない相手でも腕時計が好きな大人はまあまあいて、
時計談議に花が咲いて、顔を覚えてもらえるという一面もありますね。